堺市議会議員 大毛十一郎さんの「子ども虐待防止策」

堺市議会議員
大毛十一郎さん



●『日本一醜い親への手紙』の読後感想文

 大変、悲しく侘びしく辛い体験をまとめた本を読ませて頂きました。
 人間として、我が子にこんな酷いことが出来るのかと疑いたくなる、実録の記録100人の手記は虐待の奥深さを改めて教えてくれました。

 幼少時の虐待、思春期の虐待、虐待は終わっても未だトラウマとして残る、人生の生きざま、なぜこのような虐待が起きるのか理解すると言うより胸が苦しくなりました。

 肉体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト的虐待、経済的虐待など、虐待が複雑多義に亘ることもよく理解できました。
 全てが子どもの人権を無視した親からの虐待が大半を占めています。

 100人の手記をご提供下さった投稿者皆様の平均年齢も33.39才です。
 女性72名、男性23名、FtX3名、性別を明確にしない方2名となり、投稿者の72%が女性となっていることからも、虐待と体力的な相関も強く感じ取れます。

 この本を読めば子育てをする以前に、家庭環境、経済的環境、親としての倫理観、夫婦の子どもに対する愛情の欠如を強く感じます。
 誰か助けないと虐待はなくならないと感じています。

 虐待とはその家族内において、レベル差が大きく異なるもので被虐待児は虐待であると思っても虐待をする側は虐待と思っていないことが多いことをこの本を読んで痛感しました。
 セクハラやパワハラ、モラハラなど世間の環境は大きく変化をしているにも関わらず、家庭内では絶対的権力者である親の意のままに子どもの人権が無視されていることも、この本は諭していると思う。

 議員としてではなく人間として許されないことが、実際に起きているのです。
 昔はなぜ虐待が少なかったのか、戦後、貧困のどん底に落ち込んだ時でも、子どもへの愛情は変わらない親がいたことをよく聞かされました。
 戦後8年目に生まれ、高度成長期に育てられた私ですが、親の愛情を受けて育ったと自負しています。
 厳しさの中にも愛がありました。
 親に躾と称して殴られたこともありますが、祖母に助けられたこともあります。

 しかし、現状に当てはめることはできません。
 世の中が変わりすぎています。
 昔と呼ぶべきか、40年くらい前は、『向こう三軒両隣』といい、自分の家の向かい側の3軒と左右の2軒の家は、親しく交際する家であることを表現した諺であります。
 お互いが日常生活のチェック機能を有していたので、いじめや虐待をすることができなかった。
 また、限度を越えた躾などは、忠告しあったものだと思いますし、私も隣のおじさんに助けてもらったことも記憶にあります。

 核家族化の進んだ今は、近所付き合いが希薄になりました。
 この現状をどうすればいいのか、この本が書き示す実態を共有することが大事だと思います。
 親を信じられない子どもの手記をしっかり把握すべきです。

 子どもは親を選べないのです。
 生きる術は親に縋るしかないのです。
 人権無視の根拠となる虐待を報告して頂き感謝を申し上げます。

 年々増え続ける虐待件数、虐待する親の見張りを誰がするのか?
 虐待を受けている子どもの発信をどのようにキャッチするのか?
 虐待の実態を寄稿下さった100人の協力者に感謝を申し上げたい。

 虐待を減少させるために、行政として何ができるのか保育園、幼稚園、小学校中学校、高校、大学、地域社会の協力を頂き、虐待減少に向けた政策を展開できるように頑張りたいと思います。

 私は、今春の統一地方自治体選挙に出馬しません。
 今後の取り組みを書いても絵に描いた餅になってしまいそうですが、20年間の市議会議員としての思いは容易く消せるものではありません。
 共に頑張ってきた議員仲間がいますので、私の思いを継承してもらえるように伝えたいと思っています。

●今後の虐待防止策について

※虐待を見つけ出す監視体制の強化と通報体制の強化を具現化する。
 虐待は、なかなか言えない状況下にあります。
 発見してあげるのが大事です。
 発見するための施策を提案して参ります。

※189・利用促進による虐待発見への地域活動の強化に取り組みます。
 児童相談所全国共通ダイヤルの周知活動を展開し、多くの市民に見張りをしてもらい、虐待の防止を市民に訴える。
 FNS・LINE・Twitterの活用による虐待情報の共有化を図る。
 被虐待者からの通報も大事です。
 情報機器をフルに活用した情報発信、情報収集の環境整備と拡充を図るための提言を行う。

※警察、保育所、児童相談所等との連携を強化する
 捜査権限を有しない者の弱点をカバーするために関連機関の情報の共有化を図り、リンクした組織への変革を提案する。

※地域ぐるみの虐待防止施策を展開し、自治会と連携した活動を展開する。
 希薄になった地域の人間関係、人と人、家族と家族の繋がりを強化するための人間交流の再構築を地域の皆様と共に実現して行く

※虐待しない子育てについての学びの機会を創ります。
 保育園・学校・地域・自治会・企業等の協力を得て親のレベルアップ教育を提案し行政と一体化した研修会を実施します。

※性教育の充実
 性教育先進国のレベルには、まだまだ遠い日本の現実があります。
 命の誕生、命の尊さ、避妊の方法等をしっかり教育するために性教育の充実に取り組みます。

●私が被虐待児なら、前述の虐待防止策に何%満足か?

 展開には時間がかかります。
 今思えば、自分の子育ても虐待に相似する様なスパルタ的な部分もあったように感じられます。
 即効性のある対応策は、なかなか難しいものがあります。
(原文ママ)

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